国会見学。

楠公レストハウスで昼食を取った後は
国会見学に行きました。

国会議事堂は明治から建設計画がありましたが、
その予算や建築様式などを巡って長らく議論が続き、
竣工されたのは1936年(昭和11年)と意外と歴史が浅く、

それまでは仮庁舎が建てられ使用されていました。
世界に日本の実力を示すため
一部を除き、全て国産の建築素材で日本人の手によって作られました。

参議院見学

国会が開かれていない間は誰でも参観できます。
衆議院と参議院で受付が異なっており、
担当部署も明確に分けられています。
衆議院は土日も受け付けていますが、
参議院は平日のみとなっているので
せっかくなので参議院の参観に行きました。

長らく議事堂内部は
衆議院は本会議場のみ撮影OK
参議院は参観ロビーのみで原則撮影禁止だったらしいのですが、
昨年の11月というほんの少し前に解禁され
両院とも立ち止まれる場所では撮影できるようになりました。

国会見学は皇居一般参観と同じツアー形式

午前9時から午後4時まで毎正時行っており、
40分から受付を開始して
55分までには持ち物検査を済ます必要があります。
12時からのに間に合わせようと思いましたが、
時間的にシビアだったので13時目がけて徒歩で向かいましたが、
参観受付は国会の裏側にあり、
皇居前広場から意外と距離があります。
時間に余裕を持って移動する事をお勧めします。

参観ロビー

速足で向かってなんとか間に合い
持ち物検査を終えると地下のエスカレーターを進んで
参観ロビーに案内されます。
この時点で広いロビーの中、自分ひとりしかいませんでした。
時間までトイレを済まして展示物を撮影。
参議院は戦前、貴族院でした。
議員席を再現したもの。
実際に座って議決ボタンを押せます。
本会議を始めるときに議長が叩くギャベル
衆議院にはありません。
国会議事堂のミニチュア。後ろの議員会館とは地下で繋がっている。
レゴで作った国会議事堂。
貴族院時代に明治天皇がお座りになった椅子

参観ロビーの展示は見ごたえがあって待機中も退屈しません。
こうした展示は衆議院にはないので参議院参観の方に興味ありました。
途中で団体のおばさまたちがぞろぞろと入ってきて
気まずい感じになりますが、ここは耐えますw
皇居参観であれだけ人がいたのだから
もっといるのかと思ったら結局個人参加は自分ひとりでした。
団体とは別行動で衛視さんと二人っきりで参観スタートです。
おばさまたちに紛れずに済んで少し救われました(;^ω^)

参議院本会議場

エスカレーターを上ってエレベーターで3階に上がります。
人数が多いと階段で上がるそうですが、
国会議事堂は大きいので3階と言っても5階分ぐらい上るそうです。
ここから傍聴席に入り本会議場を見下ろします。

本会議場

テレビでは見慣れた光景ですが、眼前にすると興奮します。
面白いのはそれぞれの役職、身分によって
会議場の入り口や座席位置が違うという事です。
会議で発言したり、
議決権を行使する参院議員は二階から議場に入り、
議長が正面中央の演壇の後ろのひと際高い席に座り、
大臣は両翼のひな壇に座ります。
席順はその都度の内閣で変わりますが、
内閣総理大臣は向かって左、
最も議長席に近い席に座るのが慣例となっています。
国会議事堂は左右対称に作られおり、
衆議院と構造的にはほとんど一緒ですが、
参議院にのみ天皇陛下が開会のお言葉を述べられる玉座があります。

会議を記録する速記者は上記の画像の通り、
一階から入場し仕切りで議場と区切られています。
そして一般国民や報道関係者は三階から傍聴席に入ります。

向かって左角には天皇皇后両陛下以外の皇族が傍聴される皇族席
向かって右角にはノーベル賞受賞者などが傍聴される貴賓席
他の傍聴席とは独立した形で用意されていますが、
皇族席は過去二回、貴賓席は過去五回しか使われていません。

議場向かって左の外国関係者と衆議院議員傍聴席、角に皇族席
議場向かって右の公務員席。角に貴賓席

そして我々一般の傍聴席の真横の区切られたスペース、
議場の真後ろに天皇皇后両陛下が使用される御傍聴席が用意されています。
この御傍聴席は過去一度も使われたことがありません

辛うじて席を拝見できる。
向こう側におばさま団体…
天井のステンドガラス
ステンドガラス、ドアノブ、ポストは海外製です。

御休所

本会議場の次は天皇陛下が式典で議場に入られる前にお休みになる
御休所を見学します。
天皇陛下は国会議事堂の正面玄関を利用し、

徒歩で中央階段を上り、まっすぐこの部屋に入ります。

国会内で最も格式の高い部屋

当時の建築技術の粋を集めて作られています。
椅子は釘など一切使わず
一本の桜の木をくりぬいて作られており
L字のテーブルは戦前、昭和天皇が軍服をお召しになっていたので
軍帽などを置くためのスペースとなっています。

入り口は一枚の大理石をくりぬいて作られている
壁面には桜と橘の彫刻
平安京の紫宸殿の前庭に植えられる左近の桜・右近の橘に由来。
皇族方の御休所

中央広間

中央玄関正面のステンドグラス
衆議院方面に続く赤絨毯。
左に板垣退助像、右に大隈重信像
参議院側。真上からの伊藤博文像
空席の台座

三階から中央広間を見下ろす。
4隅には日本の議会政治に多大な功績をした
板垣退助、大隈重信、伊藤博文の像が置かれていますが、
4人目は台座だけで空席となっています。
板垣退助は国会開設を目指して自由民権運動を主導し、
日本初の政党自由党の党首を務めました。
大隈重信日本初の政党内閣の総理大臣
立憲改進党の党首を務めました。
伊藤博文日本初の内閣総理大臣貴族院初代議長です。
4人目が空席なのは人選できず未来に託したと言われています。
「政治に完成はない、未完の象徴」という意味もあるとされます。
中央広間の天井
中央広間は2階から6階までの吹き抜けになっており、
その高さは32.62m、
法隆寺の五重塔がすっぽり収まる程の高さがあります。
天井が薄暗く、照明が上向きになっているのは
御休所に向かう天皇陛下の影を誤って踏まないように
できるだけ影が出ない設計になっているそうです。
国会議事堂は屋根のてっぺんまで9階建ての構造です。
中央広間のエレベーターには
7階まであるそうですが、押しても動かないそうです。
4階は国会図書館で、5階と6階は吹き抜け部分で部屋がなく、
天井の上にあたる7階は広いフロアになっており
かつては社交のためのダンスフロアになっていたようです。
8階には螺旋階段を上り、9階に展望室があるそうですが、
現在、7階以上は
国会議員でも立ち入ることができない開かずの間となっています。
この事は様々な都市伝説を生んでいますが、
ガイドの衛視さん言うには
「ガラス張りの空間にボロボロの椅子が何脚か置かれている場所がある」
との事です。

国会内通路

アメリカ製のポスト
吸気口
国会内には全階を縦に貫く郵便ポストがあり、
通路にある吸気口は掃除の際に使用され、
いずれも地下にまとめられて一気に回収できるようになっており
利便性が高い設計がなされています。

参議院中庭

参議院をグルっと回って中庭に出ます。
この頃には雨が上がっていました。
中央の池には鯉が泳いでいます。
衆院側にも同じ中庭がありますが、
泳いでいるのは衆院側が錦鯉で参院側はドイツ鯉なのだそうです。
普段国会議員が中庭で寛ぐようなことはないのだそうですが、
車が乗り入れできるようになっていて
一部のお偉い議員さんはここまで車で乗り付けるらしいです。

参議院前庭

参議院玄関

その後、国会前庭に出ます。
参議院玄関は参議院の議員しか使用できません。
参議院前には都道府県の木が植えられている遊歩道があります。
1970年に議会設立80周年を記念して各都道府県から送られたものです。

代表して地元京都のきたやますぎを撮影
左右対称にこだわる国会議事堂は
衆院議員前にも同じように都道府県の木が植えられました。

最後に撮影スポットである国会議事堂正面に来て
いつも警察官に堅く守られている正門から出て参観終了です。
優しそうな若い監視さんとマンツーマンでゆったりと参観できて
がっつり質問することができました。
最後に気をよくして普段はあまりやらないけど
監視さんにお願いして国会議事堂と2ショット写真を撮りましたw
お気づきかもしれませんが、
裏手の参観受付から最後の正門まで一方通行なので
手荷物預かり等はありません。
皇居土産を持ちながらの参観でした。
今回一人だったので良かったものの
団体行動となると撮影に手間取りそうです。
事前にどこかで預けるか身軽にしてから参観する事をお勧めします。
後、国会参観土産を買う売店は中にはありませんでした。
まぁ当たり前と言えば当たり前ですが、
国立国会図書館近くにある
「新美堂」という所で購入できるようです。
うっかり買い忘れました。
あの歴代総理の似顔絵の書いたマグカップが欲しいので、
国会見学は参議院だけでいいやと思ってましたが、
いつか機会があれば衆院の見学にも行きたいと思います。

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